樹木の刈込みは、その植栽形式や目的に応じて様々な技術が用いられます。主に「総刈り」と「木づくり」の二つの大きなカテゴリーに分類されるこの技術は、樹木一本一本の魅力を最大限に引き出し、美しい庭園や公園の景観を創出します。
総刈り:樹木を形作る技術
総刈りは、樹冠全体を一定の形に整える刈込み方法で、単木に対して行われることが多いです。円錐形、ろうそく形、玉形、トピアリー(特定の形に仕立てる技術)など、さまざまな形状を作り出すことが可能です。また、寄植えや交ぜ植えされた生垣に対しても、一括して刈り込むことで、集団としての統一感と美観を維持します。この際、樹木の成長度や樹種の特性に配慮することが重要です。
木づくり:個性を生かした樹形の創出
木づくりは、樹木の全体像を一律に整えるのではなく、その個性に富んだ独特の樹形を作り上げるための技術です。例えばマツの場合、門冠り、三蓋松、五蓋松、片枝もの、根あがりもの、舟形ものなど、多彩な仕立て方があります。この方法では、単に枝を切るだけでなく、枝の曲げ方やひねり方、誘引の方法など、後の生育を見越した緻密な作業が求められます。木づくりを行う際には、専門的な知識と技術が必要とされ、樹木の価値を高めるための見積もりなども適宜行われます。