樹木の剪定は、その健康と美観を維持するために欠かせない作業です。適切な剪定方法を用いることで、樹木は適正な樹形を保ち、生育を促進することができます。以下は、樹木剪定の主な方法と、それらを行う際のポイントです。
1. 枝おろし
枝おろしは、樹木の太枝を取り除く基本的な剪定方法です。この作業では鋸を用い、樹形を考慮しながら慎重に行われます。枝を切り取る際には、枝のつけ根が裂けないように注意が必要であり、そのために枝の下側に先に鋸で切り込みを入れる技術が用いられます。また、枝の切り口は「ブランチカラー」を残す位置で行うことが推奨され、これにより切り口の癒合が促進されます。
2. 枝透かし(枝ぬき)
樹冠内の込み合った枝を取り除き、通風と採光を改善する方法です。特に、樹冠形成上不必要な枝を透かすことが目的で、原則としてその枝のつけ根から切り取ります。この方法により、樹木の全体的なバランスを保ちながら、健康的な成長を促します。
3. 切返し
樹冠外へ飛び出した枝を整理したり、樹勢回復のために樹冠を小さくする剪定方法です。適切な分岐点から枝を切り取ることで、樹形の整備や樹勢の回復を目指します。また、骨格枝となった枯枝を取り除く際には、後継枝や新生枝の発生部分から切り取ることが重要です。
4. 切詰め
新生枝を樹冠の形に合わせて整えるために行う剪定方法で、特に樹冠の大きさを整える場合に用いられます。この方法では、樹冠形成に適した方向へ成長する芽の直上で枝を切り詰めます。