樹木の剪定は、その健康と美しさを保つために不可欠な作業です。剪定には大きく分けて「基本剪定」と「軽剪定」があり、それぞれが樹木の生育サイクルに合わせて実施されます。ここでは、それぞれの剪定の目的と方法について詳しく探ってみましょう。
基本剪定：樹木の骨格を形成する
基本剪定は、主に冬季に行われ、樹木の骨格を形成するための剪定です。この時期に行う理由は、樹木が休眠期に入り、生育が停止しているからです。この静かな時期に樹木の全体的なバランスを見ながら、密生した枝や不必要な枝を取り除きます。特に、大きな枝を取り除く「野透かし」は、樹木の形状を整える上で重要な技術です。
公園樹木などでは、できるだけ自然な形に仕立てることが求められますが、修景上の理由や管理上の必要から強い剪定を行う場合もあります。しかし、「ぶつ切り」による剪定は避け、樹木の健康を第一に考えた方法を選択することが大切です。
軽剪定：樹冠の美しさを保つ
一方、軽剪定は主に夏季に行われ、樹冠の整正や枯損枝の発生防止を目的とします。この時期に剪定を行うことで、当年伸びた新生枝を整え、樹木全体の枝葉量を調整することができます。しかし、夏季剪定は樹木に大きな影響を与えるため、慎重に行う必要があります。
最近では、軽剪定を行う際に樹形の骨格を意識しすぎて、必要以上に強い剪定を行う傾向があります。しかし、樹木の骨格を形成するような大規模な剪定は、樹木が休眠期にある冬季に行うのが適切です。
